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写真:苧麻帯地(奥会津・昭和村)
「生活工芸」の時代|トーク【会津編】
「生活工芸」と自然
中沢新一 × 石倉敏明× 成瀬正憲 ×鞍田崇
2015.03.18 WED 19.00-21.00
会津若松・三番山下
後援: Book! Book! AIZU 実行委員会
昨秋、『「生活工芸」の時代』(三谷龍二+新潮社編、新潮社)という本が刊行されました。身近な生活道具のありように注目して、この十数年を「生活工芸の時代」とし、これからの暮らしと社会のあり方を問うことを目的とした本です。刊行後、本書の議論をより広く共有し、さらに深化すべく、各地でトークイベントが行われてきましたが、このたび、会津若松でも関連トークを開催するはこびとなりました。
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日 時/2015年3月18日(水) 19:00-21:00
場 所/三番山下
料 金/1,500円(1ドリンク付き)
定 員/30名(要申し込み) *申し込み受け付け終了いたしました。
◎アクセス
「三番山下」
福島県会津若松市大町1丁目1-57 紀州屋1934 2F
T/ 0242-26-1330
*JR「七日町駅」から徒歩10分
*JR「会津若松駅」から徒歩15分
◎お問合せ・お申し込み
Book! Book! AIZU 実行委員会(担当:五十嵐)
T/ 0241 23 5188 M/ bba@bookbookaizu.info
*申し込み受け付け終了いたしました。当初予定の30人からさらに定員枠を増やしたのですが、それもすでにいっぱいとなりました。早々にお申し込みいただいたみなさん、ありがとうございました。
<お申し込み>
上記アドレスまで、メールにて、件名を【生活工芸】とし、【お名前】【電話番号】【人数】を明記してお申し込みください。
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Clik here to view.写真:ヒロロ編みの手さばき(奥会津・三島町)
■トーク趣旨
20世紀という重く大きな時代が終わり、新しい世紀が訪れた、ちょうどその頃に始まる話です。この10数年を、僕たちは「生活工芸の時代」と呼んでみることにしました。そう呼んでみることで、いま自分たちが生きている時代をすこし突きはなし、俯瞰してみようと思いました。
たまたまそうだったのか。なにか必然的なことがあったのか。まだ近すぎてよくわからないことがたくさんあります。たくさんあるけれども、こうして言葉にとどめることで、自分たちが経験しているものの輪郭をたどり、それを次の時代につなげていくこと。それが『「生活工芸」の時代』という本のねらいです。
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できあがったのは、答えではなく、問いかけの本でした。ここからまた議論がはじまる、そういう本。その議論を本の中だけに留めるのではなく、より多くの方々と直接共有する場を持ちたいと考え、刊行後、ゆかりの地域を中心に、各地でトークを開催することとしました。
このたびの「会津編」では、会津にも通われたことがあるという人類学者の中沢新一さん、山伏としての顔とともに手仕事や食にまつわる企画を手がける成瀬正憲さん、そして企画当初より『「生活工芸」の時代』に関わってきた人類学者の石倉敏明さんと哲学者の鞍田崇の四人が話し手をつとめます。
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「生活工芸」は、作家物の生活道具で、とくに2000年以降に急速にブーム化したものをいいます。しかしながら、この言葉そのものは、けっして新しいものではありません。
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Clik here to view.写真:生活工芸憲章(奥会津・三島町)
たとえば、世界恐慌後の1930年代に民藝や工業デザインの双方が自分たちの試みを説明するにあたって、この語を用いていますし、終戦直後にも、新しい指針を示すものとして地方の地場産業の現場で頻繁に使われました。「生活工芸」という言葉が出てくるのは、いずれも生活や社会が大きく変化し、それに付随して身近な道具のあり方が見直されたタイミングといえます。
そうした点をふまえると、福島県三島町で、すでに30年以上前から「生活工芸運動」が手がけられてきたことの持つ意味は無視することができません。ここでいう「生活工芸」は作家物ではありません。いわゆる民具です。三島町をはじめとする奥会津地方は、山深い豪雪地帯。農閑期には、地域に自生するヒロロやヤマブドウ、マタタビなどを用いて、カゴやザルなどの編み組細工を手がけるのが昔からのならいでした。そこにフォーカスをあて、コミュニティの再生をはかった、同町の生活工芸運動については、『「生活工芸」の時代』所収の三谷龍二さんの文章でもふれられています。
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Clik here to view.写真:これがあたりまえの光景(奥会津・昭和村)
民藝、工業デザイン、地場産業、そして民具。この多様性は、そもそも私たちにとって、生活に根ざした物との関わりがきわめて大事なファクターであることを示しています。
人間にとって道具とは何か。物づくりとは何か。素材や風土、自然はそこにどう関与するのか。時代の動きと地域の文脈を折り合わせつつ、そろそろそういうことを正面から論じなおすときなのかもしれません。そうして会津はそれを論じるにふさわしい場所だと思うのです。
ひとりでも多くの方とお話しする機会になればうれしいです。(文・鞍田崇)
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■プロフィール
中沢新一 なかざわ・しんいち
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Clik here to view.1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、明治大学野生の科学研究所所長。人類学者・思想家。著書に『アースダイバー』、『カイエ・ソバージュ』、『チベットのモーツァルト』、『森のバロック』、『哲学の東北』など多数。近著に『日本文学の大地』、『吉本隆明の経済学』(編著)がある。
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石倉敏明いしくら・としあき
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Clik here to view.1974年生まれ。中央大学大学院総合政策研究科修了。現在、秋田公立美術大学美術学部講師(アーツ&ルーツ専攻)。人類学者。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、明治大学野生の科学研究所研究員、現職。共著として『人と動物の人類学』『道具の足跡』『折形デザイン研究所の新・包結図説』など。
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成瀬正憲なるせ・まさのり
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Clik here to view.1980年生まれ。中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。現在、日知舎代表。山形県の出羽三山で山伏修行を積みながら、地域の食、手仕事、芸能などを実地調査し、その文化継承と今日的展開のための仕組みづくり、商品の開発・製造・販売にわたる経済活動、出版などの文化発信事業を行っている。
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鞍田 崇くらた・たかし
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1970年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。現在、明治大学理工学部准教授。哲学者。編著に『〈民藝〉のレッスン つたなさの技法』、『焼畑の環境学』など、共著に『「生活工芸」の時代』など。初の単著として『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』がまもなく刊行される。
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■過去の企画
【2014】
09.10 東京:6次元(荻窪)/三谷龍二・菅野康晴・鞍田崇
09.17 大阪:スタンダードブックストア心斎橋/三谷龍二・木村宗慎・鞍田崇
10.25 松本:10センチ/三谷龍二・菅野康晴・鞍田崇
10.30 東京:魯山(西荻窪)/大嶌文彦・菅野康晴
11.04 東京:蔦屋書店(代官山)/井出幸亮・菅野康晴
11.07 名古屋:名古屋芸術大学・TAiGA/小林和人・鞍田崇
11.23 高松:Book MARUTE/石村由起子・三谷龍二・鞍田崇
【2015】
01.17 京都:メディアショップ/大見新村プロジェクト・鞍田崇
02.28 燕三条:ツバメコーヒー/山本忠臣・山田遊・鞍田崇
■今後の企画
04.04 金沢: モノトヒト/辻和美・三谷龍二・鞍田崇